有心会からのお知らせ

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剣道部OBの越智小枝先生が東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座教授に就任

会員の皆様、ホームページをご覧の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
明るいニュースをいただきましたので紹介いたします。
本学剣道部OBの越智 小枝 先生が2022年4月1日より、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座教授に就任されました。
 
コロナ禍のため、現状ではお祝いの場を設けることは叶いませんが、有心会会長宮坂信之先生よりお祝いのお言葉を、越智小枝先生よりご挨拶のお言葉をいただきましたので、以下に掲載いたします。
 
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越智小枝先生が慈恵会医科大学検査医学講座主任教授着任を祝う

有心会長 宮坂信之

 

越智小枝先生は本学剣道部の出身であり、剣道部女子部コーチも長年勤めた。

本年4月1日からは、慈恵会医科大学検査医学講座の主任教授に着任した。このポストは、同講座の主任教授であるのみならず、4つの附属病院の臨床検査部も率いるものである。業務は多く、人事もやらなくてはならない重責である。

私は、「人は石垣、人は城」であり、人を育てるのに少なくとも3年は必要だと思っている。「石の上にも3年」の諺にあるように、その間は基礎を作りながら、じっと我慢をしなくてはならない。

私も本学第一内科教授を務めたが、大学院重点化を期にして膠原病・リウマチ内科教授になった。私は初代教授として優秀な研修医集めに明け暮れた。その頃、入局したのが越智先生である。

越智先生を大学院生として免疫学の高柳教授(現東大免疫学教授)にお願いし、そこで博士論文の仕事をさせていただいた。その後は都立墨東病院内科に出向させたが、ある日、私に英国留学を願い出てきた。疫学を英国で学びたいとのことである。私も反対できなかった。

英国に滞在中に東日本大震災が起こり、彼女はその対策にも充てられた。以来、今でも福島県とを行き来しているはずである。このようなチャンスを生かすのも彼女らしい。しかも、未曽有のコロナ禍である。今回、慈恵会医科大学検査医学講座での奉職の機会をいただいたことも、越智先生ならではある。

全日本剣道連盟の医・科学委員会のメンバーもお願いしている。私が現在の委員長であるが、越智先生のバックグランドを活かせれば将来の委員長も夢ではない。

昨年、剣道も七段になった。本学の道場での稽古をみていて、私は梯 正治師範に毎回掛かることの重要性を越智先生に話した。私も梯先生の弟子を自任しているが、私は機会あるごとに梯先生に稽古をお願いしている。そして、剣道の基本ができないと、稽古にならないことを痛感させられている。いつも「聳える壁」に挑戦するが、毎回稽古が終わると失望の連続である。ひどいときは道場の羽目板まで飛んでいくこともあるが、それでも打ち込んでいかなければならない。その結果、越智先生は見事に七段を修得した。

今後もさらに厳しい、つらい環境が待っているであろう。そんな時に剣道部で培った精神を活かしてほしい。越智先生の今後の活躍を心より期待するものである。

 

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東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座教授就任のご挨拶

平成11年卒 越智小枝

 

2022年4月1日付で、東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座の講座担当教授に就任いたしました。また遅ればせながら、2020年11月に剣道7段審査に合格いたしましたことも、この場を借りてご報告申し上げます。

私は1999年に医科歯科を卒業後、第1内科研修医を経て膠原病・リウマチ内科学講座に入局し、宮坂信之先生に師事させていただきました。その後公衆衛生大学院への留学を決意しましたが、留学決定のわずか10日後に東日本大震災が起き、進路が大きく転換しました。

留学先では災害公衆衛生を学び、災害のご縁で2013年より福島県相馬市へ移住。そこで偶然お会いした先生にお誘いいただき、2017年に東京慈恵会科大学の臨床検査医学講座に入局しました。入局後改めて病院の「台所」ともいえる中央検査部の重要性を知り、現在は医療情報整備や災害対応の視点から臨床検査医学に取り組んでおります。

 このような紆余曲折の中、剣道は常に私の心身の支えでした。留学先のロンドンやボストン、学会で訪れたイスラエル、移住先の相馬市など初めての場所に行っても、地元の稽古に参加をすることで地域に受け入れていただけたことは、貴重な経験でした。

初めての土地で稽古をする時にはいつも、「梯正治先生にご指導をいただいた者として恥ずかしくない剣道をしなければ」という緊張、そして「梯先生に掛かる気持ちで行けば何も怖くはない」という信念をもって臨みました。また梯先生の「強いと言われるよりももう一度稽古したいと言われたい」というお言葉が今でも忘れられず、今も私の剣道・そして人間関係の目標となっております。

 また、学生時代から医局時代、そして現在の全日本剣道連盟医・科学委員に至るまで、長年宮坂先生に師事できたことは、奇跡に近いご縁だと思っております。現在勤める東京慈恵会医科大学の建学の精神は「病気(のみ)を診ずして病人を診よ」というものですが、これは正に宮坂先生からいただいた教えそのものであり、そのお蔭で他校である慈恵にも違和感を覚えず溶け込むことができました。

 今、私自身はコロナ禍で2年ほど対人稽古ができておりません。それでも色々な方との剣縁がふと未来を開いてくれるような機会が度々あり、そのたびに剣道は本当に「道」なのだな、と改めて思います。その剣縁をつないでくれた剣道部には感謝の念より他ありません。

まだまだ未熟者ですが、これからもどうぞご指導のほどよろしくお願い致します。

 

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以上となります。
本当におめでとうございます。